The Energy of Life~運命を変え、創造する~
episode2|土井あいこ

土井あいこ

好きな筈の仕事なのに満たされない気がする。
大切な仕事仲間なのは変わらない、わかってるのにすれ違う。
そんな葛藤を誰しも一度は抱えたことがあるのではないだろうか。
今回お話を聞かせていただいた土井あいこさんもそんな思いを抱えてた一人でした。

あいこさんの取材先である『轟クリーニング』は、宗像市内にあり彼女のお爺様が創業し、以来続く老舗店です。
丁寧かつ、細やかに品物を仕上げる事にこだわっているのがうかがえます。
社長であるお父様を筆頭に、20代から50代までの従業員総勢8名が働き、あいこさんはマネージャーとしてお店で活躍しています。
取材当日も、お店は活気に溢れていました。

あいこさんは幼い頃から、お店の従業員達がお客様が本当に喜ぶ仕事をしている様子を見ていて、それが何とも誇らしく、お店が大好きでした。
後にお店で働き、念願のマネージャーになった時、あいこさんは仕事が楽しく、家庭もうまくいっていると思っていたそうです。
それなのに、何かが引っかかり違和感を感じる事がありました。それが何故なのか
理由がわからずに、気持ちに蓋をして過ごしていました。

その当時、従業員それぞれが不安や、心配、不満などのネガティヴな気持ちを抑えながら仕事をしていて、「これ位私が我慢すれば・・・」と無理を重ねた結果、その行き場を無くした感情は時に、空気となり宙を舞い漂っているようでした。
大切なお店がこのようになっている事が、とても残念で、従業員の一人一人の気持ちと向き合いたいと切に願いました。
ただどうしていいか方法がわからずに、もどかしかったのです。
そんな時に、CNEの『上級講座』を受講している妹から、講座の話をよく耳にするようになります。
妹が、日に日に自由に柔軟に自分を表現する様を目の当たりにしたあいこさんは、気づいたのです。
「わたしは、もっとわたしらしく生きたいんだ」と。

すぐさま受講を決め、更にマネージャーとなった時に、お店や自分自身だけではなく、従業員たちのさらなる成長の場となる様に心に誓ったことをその時思い出し、「わたしの成長が従業員の成長に繋がる」と信じ、即行動に移しました。

『上級講座』では、徹底的に自分を構成している、過去、現在、未来を見つめ知る行程があります。それは観たくない『わたし』の感情に触れ、忘れたい過去のことを振り返り、理由を突き詰めていくこともあり、時に苦しくなったことを覚えています。
でも、その苦を自分で癒し、解放していく術を知る事は喜びであり、従業員だけではく、家族とも向き合う原動力になっていきました。
これ迄の人生で、身につけていた数々の鎧を外していくと、遂に真の『わたし』が顔を出しました。

 

土井あいこ

 

あいこさんは気がついてしまった。魂が求めていることが何なのかということに。
もう『わたし』を生きることに一寸の迷いもない。魂に嘘はつけない!

それからは日々、自分や相手の奥に潜む心に向き合い、耳を傾けることも苦にならなくなっていきました。
そうすると、高圧的に見えた一人の従業員が、過去に報われることなかった深い淋しさを抱え、その事によって臆病になってる心を感じ取るようになっていきました。
以前のあいこさんなら、相手の心を感じても、言葉をかけることなく距離をあけようとしていましたが、今ではあいこさんのどこからか言葉が湧き、その言葉は彼女へと放たれるようになりました。
しかしながら、固く閉ざされた扉は容易には開かず、それでもあいこさん彼女には寄り添い続けました。

目の前の人と、真正面から向き合い、繋がる事を魂が欲していたのを強く感じる。
心の底から彼女を、わたしを、人を大切にする事を渇望していたのだと知り、嬉しくなりました。

気持ちが通じ合った従業員は、心の壁を少しずつ壊していき、他の従業員たちの心の中の壁も、存在しなくなっているかのように自然といい影響を与え始めました。

以前は重苦しかった工場の中にも気持ちのいい風が吹き抜け、包んでいくようです。
従業員たち全員が率直な気持ちを伝え合い、スムーズなコミュニケーションができるようになり、大切な衣類の仕上がりの質が、一層よくなりました。

『わたし』から広がり、「わたし」と繋がる。融合の始まりを感じます。

そしてあいこさんの影響の輪は次第に家族にも広がっていきました。
うまくいっているはずの家族とも気づけば、「怒りや悲しみ不安などを家族に言ってはいけない」と自分に言い聞かせ、そんな感情を表に出さないことが母親らしさであり、家族の為だと思って自分を縛っていました。

従業員たちと気持ちのいい関わりができるようになった今、感情を表に出さないこと、言葉にしていなくてもこぼれ落ちる気持ちは、相手を居心地を悪くするということをあいこさんは知っていました。

「どんな気持ちも、わたしの大切な気持ちだ」とそのままのわたしを伝え、また家族のどんな気持ちも受け止め寄り添い導くことを始めました。

すると一段と家庭が安心できる場になっていきました。
お互いがちょうどいい距離感でそれぞれの領域を尊重し、自分の人生を生きている、ああなんて心地いいのだろう。

ある日息子さんが、こう尋ねてきました。
「僕のいいところを教えて」
「いいと感じるところは、一人一人違う。だからあなたが、あなた自身をよく知り、あなたらしく生きていくのが、私の願いだよ」とあいこさんは答えました。

いい悪いや普通の尺度は人によっても違うし、不確かなもの。それより『わたし』を際立たせ、確立することが大事に思えることを息子さんに伝えたかったのです。

家庭での、職場での居心地が良く、じんわりとした幸せを噛み締めている今、あいこさんは『わたし』を生きて貫き自分の魂に従ったからこそ、そのエネルギーは他へと循環し、お互いに影響を与え変革をもたらすのだと確信していました。。

現在、従業員の何人かは、『わたし』を生きることに目覚め自分に触れる「わたべん」を自ら受講したいと申し出てきたり、「おやべん」は社員研修となりました。

あいこさんは言う。
「その人がその人らしく生きる場をつくっていく。轟クリーニングはそんな場所でありたい」
「普通とか常識とかを突き抜け、枠のない世界を作る。それが私の使命である。」と。人財育成の礎を『轟クリーニング』で働くことにより築いているのです。
自分の心が、何故こうもくすぶっているのかさえわからずに、いっぱいだった一年前、『世界』や『社会』なんて考えた事もなかった。こんな事を語る日がくるなんて思いもつかなかったとあいこさん。

それがどうだろうか。
彼女はもう『わたし』や、周辺のことだけにとどまれない。
既に広く世の中を見据えている。

熱い眼差しで語るあいこさんの瞳には、想い描く未来が、鮮明に映し出されている。そしてその未来はきっとやってくる。わたしは、そう信じて疑わない。
(聞き手 熊川繭香)

 


【プロフィール】

土井あいこ土井あいこ
1973年生まれ 福岡県出身

農業を基盤とする高校生活を送る。

結婚、出産を経て、通信制の短大に入学。保育士や幼稚園教諭の資格を取得し、保育士として活動する。

第三子の妊娠中に、帰郷し『轟クリーニング』で働き始め現在に至る。

着物を扱うことが多いお店において、時がたっても色褪せない着物に魅了され『着付け講師』の資格を取得。着物を普段づかいで楽しんでいる。

 


「轟クリーニング」

所在地: 福岡県宗像市東郷2-16-31
連絡先: TEL 0940302002
facebook|https://www.facebook.com/todoroki.cl/

自社工場にて、洋服や和服ともに細部までこだわった丁寧な仕上がりには定評がある。
手強いシミなどにも対応しており、集配も行っている。


撮影|

Jeong Mun Lee 福岡 写真 プロフィールJeong Mun Lee
1989年韓国昌原市生まれ。

大学在学中の2007年に福岡市に留学。軍隊入隊、除隊を経て再来日。2013年より一般企業にて勤務。2016年に退職後、カメラマンとして独立。子ども、家族写真などの人物写真撮影の他、個人、企業のPR動画作成も行う。その他、液晶看板の修理、パソコンの修理・メンテナンスも行う。

お問合せ|Jeongmun Lee Photo Studio 


取材・執筆|

熊川繭香

熊川繭香
1975年生まれ 福岡市出身

3歳男児の母 待ち望んでいた子どもだったのに、関わり方がわからずに悩んでるさなか、子どもに発達障がいの疑いがあることを示唆され、深く落ち込み続けていく。
そんな時に、偶然見つけたプレイジャムに子どもを預けることになり『おやべん』と出会い、現在『上級講座』の受講中。
『おやべん』『わたべん』の講師を目指して学んでいる。
かつての私のように、苦悩から抜け出す方法がわからずにもがいている人、また自分らしく生きたいと願う人に発信していきたいと思い、ライターの仕事に初挑戦。

 

運命 変化 女性 CNE